「ありがとう」の5つの効用と実践

 

筆者の住まいから駅までの道には細い階段があります。

 

行きに下りるときも帰りに上るときも、

どなたかが向かい側に現れたら

自分が待つようにしているのですが、

そのときに「ありがとう」といってもらうか

「すみません」と謝られるかでだいぶ気分が違います。

 

「ありがとう」だと爽やかで

「どういたしまして」と返すのもうれしい気持ち。

 

「すみません」だと

「迷惑を受けたと思っているわけではないのだけど」と

ちょっと悲しい気持ちになります。

 

同じ五文字でもまったく違う気分をもたらすので

「ありがとう」がもっと世間に流通するといいな、

といつも考えています。

 

いっぽう「ありがとう」には効用がある、

と説くメンターは多く、

それをテーマにしたベストセラーも何冊も出ています。

 

今回のブログでは「ありがとう」について特集しましょう。

 

 

 

まずは「ありがとう」の語源から

 

スマートフォンやWordを使って

「ありがとう」と打つと

「有難う」という表記が出てきますね。

 

「ありがとう」は

「有り難し」という形容詞の連用形「有り難く」が

ウ音便化した言葉です。

 

「有り難し」は

「有ること」が「難（かた）い」

という意味で、

本来は「滅多にない」「珍しくて貴重だ」

という意味でした。

 

 

中世になり、

仏の慈悲など貴重で得難いものを

自分は得ている、

というところから

「ありがとう」は

宗教的な感謝の気持ちをいうようになり、

近世以後、

感謝の言葉として一般にも広まりました。

 

「ありがとう」というとき、

わたしたちは

「滅多にないほどの貴重で得難いものやことを

くださって感謝します」

という意味を

無意識にも発していることになるのではないでしょうか。

 

 

脳内ホルモンを生み出す「ありがとう」

 

「ありがとう」の効用を科学的に理解したい方には、

脳内ホルモンのお話をしましょう。

 

わたしたちが「ありがとう」といって感謝するとき、

脳内からは

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン

集中力・意欲アップや幸福物質とも呼ばれるドーパミン

絆ホルモンと呼ばれるオキシントシン

免疫力アップなどをもたらすエンドロフィン

 

が分泌されるといわれているそうです。

 

 

幸せになり、やる気が出て、

大切な人との絆が強まり、免疫力が上がる。

 

これはもう「ありがとう」は

脳の万能栄養素といってもよいのではないでしょうか。

 

免疫力がアップすれば体にも喜ばしいですね。

 

 

 

具体的にはどんな効果が？

 

では「ありがとう」を口にすることに

具体的にどのような効果があるのでしょうか。

大きく分けて五つの効果を挙げてみます。

 

 

1. ポジティブになれる

 

ネガティブがいけない、

というわけではありません。

 

ネガティブな感情も大切な自分の感情の一つです。

ただ、いまここを乗りきりたい、

と願うとき「ありがとう」

という言葉を意識して発してみるのはどうでしょうか。

 

モチベーションが回復し、

前に進むきっかけをつかめるのでは、

と思います。

 

 

2. 人間関係が良化する

　

感謝がベースにあると、

人間関係は円滑です。

 

職場や学校はもちろん、

友人同士や家族の間でも、

なにかをしてもらって

「当たり前」ということはありません。

 

日常の小さなできごとにも

「ありがとう」をいいあう習慣を育てると、

人間関係は確実に良化します。

 

まず自分から感謝することで

「ありがとう」の循環を作りましょう。

 

 

3. 体が健康になる

 

脳内ホルモンのところでも触れたように

「ありがとう」の言葉は免疫力をアップするといわれています。

 

また「ありがとう」で血圧が下がると

いう研究結果もあるとか。

 

感謝によって心が穏やかになれば、

体が健やかになるのは当然なことではないでしょうか。

 

 

4. 笑顔でアンチエイジング

 

「ありがとう」といいながら

しかめっ面をする人はあまりいませんよね。

 

「ありがとう」をいうときは

自然と柔らかく優しい笑顔になっているはず。

 

笑顔すなわち「口角が上がっている」わけです。

 

女性を悩ます口元のエイジングサインの解消には

この動きがとても大切。

 

「ありがとう」といいつつにっこり、

これでマイナス5歳は確実です。

 

 

5. 自分に自信が持てる

 

「ありがとう」によって上の４つ、

つまり、ポジティブマインド、

周囲とのよい関係、健康的な体、

若々しい笑顔、を

自分のものとした暁にはどうなるでしょうか。

 

そう、自分が前より好きになれて、

自信が持てるようになります。

 

自信を持ちたい、

とは誰しも望むことですが、

そのためのいちばんの言葉が

「ありがとう」なのです。

 

 

 

「ありがとう」の千本ノック

 

「ありがとう」の効用について、

日本で早い時期から言及しておられた

著作家の小林正観さんは、

著書でも講演のなかでも

「ありがとう」を

とにかくたくさん唱えることを勧めています。

 

1万回2万回どころか3万回、

いや年齢✖️1万回までいってみましょう、と。

 

節目を超えるごとに、

もっと感謝したくなるような

素晴らしいできごとが起こるのだとか。

 

そこまではとてもできない、という方には、

朝起き抜けに100回「ありがとう」というだけでも、

その日に「ありがとう」と

いいたくなることが100個やってくるそうなので、

試してみてはいかがでしょうか。