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2021.11.11
おめでたさも100年続く。日本人の一生のお祝いごと

めでたさも100年つづく 一生のお祝いごと

 

 日本人の人生はお祝いごととともに

 21世紀は「人生100年時代」。

「きんさん・ぎんさん」が双子の百歳姉妹として人気を集めた頃に比べて、いまは100歳の長寿がぐっとポピュラーになってきました。

お祝いごとも先が長くなっています。

70歳が「古希」つまり「古きこと希(まれ)なり」といわれていた時代の人たちには信じられないことかも知れません。

 

今回から2回にわたって、人の一生の節目を寿ぐお祝いごとのリストをお送りしたいと思います。

日本人の感性は喜びに敏感です。

なんと生まれる前、おかあさんのおなかにいるときからお祝いをするのですから。

 

妊娠5か月から100日まで

 赤ちゃんの命がおかあさんのおなかに宿って5か月。

いまでは「安定期に入った」と表現されますが、昔の人も同じ時期を安定の目安と考えていたようです。

妊娠5か月めの「戌の日」に神社にお参りして安産を願い、おなかを保護するための「岩田帯」を巻きます。

これを「帯祝い」といい、犬の安産にあやかる意味で「戌の日」に行われます。

 

お七夜

赤ちゃんが無事に生まれて七日めには「お七夜」を祝います。

地域によってならわしが異なるようですが、代表的な儀式としては「命名式」があります。

赤ちゃんの枕元に名前を筆で書いた「命名書」を掲げているのはよく目にしますね。

お七夜までには名前を決めるという節目にもなりますね。

ちなみに、役所への出生届は生まれた日を入れて14日以内に提出することが義務づけられています。

 

お宮参り

生まれてから男児なら32日め、女児なら33日めに生まれた土地の守り神である神社(氏神様)に「お宮参り」をします。

両親、祖父母が衣服を改め、赤ちゃんには掛け着というものをまとわせて、揃ってお参りをする光景は、はたから見ていても微笑ましいものです。

 

お食い初め

そして生後100日経つと、今度は「お食い初め」です。

「百日(ももか)祝い」とも呼ばれ、日本だけでなく、韓国と中国でも行われています。

日本では平安時代から続くお祝いごとである「お食い初め」は「一生食べることに困らないように」「健やかに育つように」という願いをこめた儀式です。

 

メニューに欠かせないのは尾頭つきの鯛。

赤ちゃんはまだ実際には食べられませんが、おかあさんやおとうさんがお箸で身をほぐし、口元まで持っていって食べさせる真似をします。

あとはお赤飯、吸い物、煮物、香の物があれば完璧でしょう。

 

「歯固めの石」を用意して、お箸の先で触れてから赤ちゃんの歯茎にそっとあててあげると丈夫な歯が生える、という言い伝えもあるようです。

 

千歳飴をひきずって記念写真

かつて、といっても、ほんの数十年前までは、日本でもこどもたちが元気に7歳を越えて育つまでには多くの関門がありました。

幼い命が神様やご先祖様に守られて無事に育っていくように。

こどものお祝いごとには親御さんたちの切なる願いが込められています。

 

「七五三」は日本独自の祝いごとで、初めて祝われたのは徳川徳松、将軍綱吉の長男で、天和元(1681)年11月15日であったといわれています。

関東で始まり、京都・大阪から次第に全国に伝わっていったそうです。

 

女の子は三歳と七歳、男の子は五歳の11月15日に、親子ともども正装して氏神様にお参りにいく行事ですが、現代では前倒しの休日に行ったり、写真撮影がおもな目的になったりと、家族や親族のお祝いごととなっているようです。

 

ちなみに、七五三にはなくてはならない千歳飴は、元禄のころ、浅草の飴売り七兵衛が売り出した「千年飴」がはじまりだとか。

 

虚空蔵菩薩に知恵をいただく

「十三詣り」は関東の人には馴染みが薄いかも知れません。

旧暦の3月13日前後に、数え年13歳の男女が虚空蔵菩薩を本尊とする寺社にお参りする行事です。

京都の法輪寺、大阪の太平寺、奈良の弘仁寺などがお参り先として有名です。

 

13歳というのは、干支を一周し、男児なら昔でいう元服の年頃にも当たります。

心身の成長が著しくなるこの年頃に、これまでの無事を感謝し、立派な大人になるようにと祈念する行事です。

また、13歳の厄を払うという意味合いもあります。

 

虚空蔵菩薩は無限の知恵と慈悲を持つとされるので、虚空蔵菩薩を本尊に祀った寺社に詣でることで知恵を授かるといったいわれもあり、十三詣りを「知恵詣り」や「知恵もらい」と呼ぶこともあります。

 

二十歳、大人の階段を上る

「成人式」が1月に行われるようになったのは、昭和23(1948)年からです。

20歳が「成人年齢」と認められたのは明治9(1876)年のこと。

それ以前は、さきほどの「十三詣り」の13歳だったり、元服の15歳だったり、地域や時代によってまちまちでした。

社会の一員としての「成人」は長く20歳でしたが、2022年から18歳に引き下げられることがすでに決まっています。

 

2022年からはは18歳で国民投票の投票権や公職選挙法の選挙権が得られます。

また、ローンや携帯電話の契約に親の同意が不要になったり、結婚ができたり(女性は16歳から18歳に引き上げて男女同一に)、性同一性障害の性別取扱変更審判が受けられるようになります。

 

では、成人式はどうなるのでしょう。

2022年に成人年齢が18歳に引き下げられたら、2023年からは高校3年生の1月に成人式が行われるのでしょうか。

2021年4月4日の日経新聞によると、40市区は成人年齢引き下げ後も20 歳で成人を行うと回答したとか。

理由としては、18歳の1月は受験勉強や就職活動の時期に当たること、18歳で成人式を行う最初の年は18歳、19歳、20歳と3学年が重なることになり、運営が困難であることなどが挙げられているそうです。

 

いずれにしても、おかあさんが岩田帯をつけた戌の日から無事に育って成人を迎えたことをお祝いする日がなくなることはないでしょう。

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