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2022.12.27
お年玉の歴史とマナー

じつは昔はお金ではなかった


お子さんのいらっしゃるご家庭では、

クリスマスが終わったと思ったら

もうすぐにお年玉の用意ということになりますね。

 

いまの時節、

お正月でも親戚で集まることはまだ少ないでしょうし、

勤め先の上司の家に年始の挨拶にいくことも

令和時代には稀でしょう。

 

お年玉のマナーや、

こどもたちの年齢に見合った適当な金額などについても

変化があるようなので、

ここでまとめてみたいと思います。

 

 

「お年玉」の起源

 

「お年玉」の歴史は古いものです。

 

日本のほとんどの人が

「神様」の存在を信じていた頃。

 

お正月にはそれぞれの家に

神様がやってくると考えられていました。

 

各家庭では年末年始に

その神様「歳徳神(としとくじん)」

通称「歳神様(としがみさま)」を祀り、

お供え物をしたのです。

 

家にやってきた歳神様

お供え物のお返しとして「新しい魂」を与えます。

 

人々は、

お正月に神様にもらった新しい魂のおかげで、

また一年健康に生きていくことができると信じていました。

 

「お年玉」「歳神様がくださる新しい魂(の玉)」

すなわち「としだま」からきた呼び名でした。

 

一年の最初に賜るものだから

「年賜(としたま)」と呼ばれたという説もあるようです。

 

 

その「としだま」「としたま」

一家の主しかもらえないものでした。

 

神様はお供え物の丸い玉のようなお餅

新しい魂を込めて帰られます。

 

主人はお正月が明けると

そのお餅を家族や奉公人たちに分け与えました。

 

「新しい魂」という目に見えないものを

お餅という目に見える形に変えて与えたのです。

 

 

時代は下って、昭和の高度経済成長期

 

団塊の世代が生まれて家族数が増えたことや、

都市部の世帯数が増えたことによって、

それぞれの家庭でお餅をついて

歳神様に供える年中行事自体が減りました。

 

お餅を分ける風習も

簡単に用意できるお金へと変わっていったのです。

 

さらに近年核家族化が進み、

こどもの数も減り、

お年玉をもらう人が少なくなった分、

お年玉のいわゆる相場が

高くなってきているともいわれています。

 

 

 

目上の人には贈らない


 

お年玉のマナーの一つに

「目下から目上には贈らない」というものがあります。

 

さきほど見た「お年玉」の起源にあるように、

お年玉はもともと

家長が家族や奉公人に分け与えるものでした。

 

つまり、目上の者から目下の者へ

贈り物だったわけです。

 

お年玉がお金に変わった現代でも、

その方向性は守る必要があるという考え方により、

目下から目上に贈ることのないように、

とされています。

 

上司のお子さんには

お金で「お年玉」としてあげるのは避け、

図書カード商品券を贈るのがよいそうです。

 

上司と部下の関係がこどもの代にも及ぶとは、

日本にもいまだに古いところがありますね。

 

 

 

こどもの年齢とお年玉の適正金額

 

「こども」と一口にいっても、

生まれたての赤ちゃんから大学生まで

およそ22歳の開きがあります。

 

こどもの年齢に

それぞれ見合ったお年玉の金額が気になるところです。

 

あるフィナンシャルプランナーのアドバイスによる年齢と

お年玉の額をシェアしてみましょう。

 

 

【乳幼児(0歳から2歳)】

 

本人がまだ理解できないので、

あげなくても可。

親御さんに手渡すことになるため

500円玉より千円札のほうがよいかも。

 

 

【未就学児(3歳から6歳)】

 

500円から1000円

お年玉を渡す側の年代が上がると金額も上がる傾向があり

3000円という人もいるそう。

 

 

【小学校1年生から3年生】

 

1000円から3000円

自分のこどもが一人で3000円もらったが、

くれた側にこどもが二人いる場合はそれぞれに2000円ずつ、

と格差が出ないように調整しても失礼には当たらない、とか。

細かいですね。

 

 

【小学校4年生から6年生】

 

3000円

祖父母からもらう金額と親からもらう金額では開きがあり、

祖父母からもらった金額の記憶で「5000円くらいかな」と渡すと

周囲とずれることがあるので要注意。

たしかに、祖父母は相場を無視してきますね。

 

 

【中学生】

 

3000円もしくは5000円

一般的なマナーとして「4」は嫌われるので

4000円はNGだそうです。

 

 

【高校生】

 

5000円もしくは10000円

ついに大台に乗りました。

 

 

【大学生】

 

高校を卒業するとお年玉はなし、

という家庭もあるようです。

あげている家庭は10000円

4年間で40000円の差は大きい。

 

 

ちなみに沖縄県では学年や年齢によらず

「お年玉」は一律に1000円だそうです。

 

沖縄から引っ越してきた場合、

沖縄へ引っ越した場合は注意が必要ですね。

 

 

 

ピン札をポチ袋に入れるのがきまり?

 

お年玉用にと新札を用意する方もいらっしゃるでしょう。

 

もらうほうも気持ちのいいものですが、

必ずしも新札でなくてもいいそうです。

 

急に知り合いのこどもに会って

あげることになる場合もありますから。

 

 

ただ、そんなときでも

お札のままあげるのはやはり形がよくないもの。

 

ポチ袋は使いたいところです。

いまはコンビニエンスストアでも買えるので用意しましょう。

 

 

ポチ袋の「ポチ」

関西の言葉「ぽちっと」に由来しています。

 

「少しだけ」「心ばかり」という意味があるので、

じつは大きな金額のお札を入れなくてもよいのだとか。

 

お札を入れるときには、

紙幣を三つ折りにします。

紙幣は肖像画がある方がです。

折るときには表を内側にします。

 

そして開いたときに肖像画がすぐ見えるように、

お札の左側三分の一を真ん中に向けて折り、

次に右側三分の一を折ります。

 

折れたらそのままの向きでポチ袋に入れます。

 

お年玉をあげる立場になってからの年月のほうが長くなっても、

もらったときのうれしさは忘れないものです。

 

令和5年のお正月も、

こどもたちにそんな思い出を作ってあげましょう。

 

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