2023.03.08
もうすぐ入学式 最近のランドセルの傾向とは
もうすぐ入学式 最近のランドセルの傾向とは
軽い、カラフル、
背負いやすい、高機能、
かわいいを超えてゴージャス。
などなど、
テレビCMで見るランドセルの進化に
目を見張っている筆者(こどもたちすっかり成人)です。
新一年生がぴっかぴかなのは
本人たちの笑顔が輝いているからですが、
ランドセルのぴかぴか具合についても
少し調べてみたくなりました。
色のバリエーションが豊か
一般社団法人 日本鞄協会に属する
ランドセル工業会が行った
「ランドセル購入に関する調査2022年」
を見てみましょう。
調査対象は
2022年4月に小学校に入学する児童をもつ
20歳から69歳の
男性と女性あわせて1500人でした。
入学する児童が第一子にあたる人は48.3%、
第二子にあたる人が49.5%、
第三子8.7%、
第四子以上が1.4%で、
ランドセルを初めて購入した人がほぼ半数でした。
児童の性別は男児748人、
女児752人でこれもほぼ半数ずつ。
まず、購入したランドセルの色を児童の性別に見ると、
男児
黒 58.4%
紺 17.6%
青 9.6%
緑 4.9%
焦茶 1.9%
女児
紫/薄紫 24.1%
桃 21.0%
赤 17.0%
水色 15.6%
薄茶 6.6%
男児では「黒」が
前年(2021年)の61.2%から
2022年は58.4%と
6割を下回ったそうです。
女児では「桃(ピンク、ローズ)」が
前年から1.7%増加し、
「赤」を抜いて2位に。
男の子は黒、
女の子は赤、
でほぼ決まっていた昭和は遠くなりにけり。
こどもたちの個性も
ランドセルも色とりどりがいいですね。
サイズと素材
いま小学生のこどもたちの教科書には
A4サイズのものがあるそうです。
さらにプリントや教材を入れるために
ランドセルのサイズは大型化。
さらにさらに、
A4クリアファイルが入るサイズから
A4フラットファイルが入るサイズが
主流となっているのだとか。
A4フラットファイルとは
厚紙製でA4の書類を
100枚程度はさめるファイルのこと。
このファイルに
プリントをはさんで持ち帰ってくれたら、
なくならないし、
ランドセルの底から
蛇腹状に折り畳まれて
発見されることもないでしょう。
で、当該アンケート調査によれば、
このA4フラットファイルが入る
サイズのランドセルを購入した人が66.3%、
A4クリアファイルが入る
サイズを購入した人が14.7%でした。
1年生の背中にはかなり大きいランドセルですね。
ランドセルの素材は、
合成皮革のクラリーノが34.5%、
牛革が22.5%、
馬革が2.7%、
その他5.3%、
不明35.1%
となっています。
雨の日のことを考えると
合成皮革は望ましいかも知れませんが、
現代でも天然皮革が牛革と馬革合わせて
全体の4分の1を占めているのは
興味深いことです。
小学校6年間使う前提のランドセルへの
高級志向が窺い知れるような。
ランドセルの形状は
次はランドセルの形状について。
色はバリエーション豊かになりましたが、
形状はいまも「縦型・全かぶせ型」を
購入した人が94.0%で圧倒的でした。
筆者のこどもの一人は、
全かぶせ型は留め具が扱いにくいと主張、
半かぶせ型を選びました。
たしかに半かぶせ型は
正面で留めることができてスムーズのようでした。
それでもやはり全かぶせ型の
あの形状の人気は根強いのですね。
半かぶせ型を購入した人は2.3%に留まっています。
購入を決めたのは誰、そして製造国は?
では、その色、サイズ、
素材、形状のランドセルを
購入することを決定したのは誰か。
「本人」という回答が最多で77.3%でした。
8割近いこどもが
自分で選んだランドセルを買ってもらっているのは
いい傾向といえないでしょうか。
次が母親で15.2%、
父親は3.8%でした。
購入したランドセルの製造国については、
日本製が81.9%、外国製が1.7%、不明が16.5%でした。
国産へのこだわりが見えるとともに、
ランドセルというものが
日本独自の製品であることを物語っているようです。
ランドセルを買ってくれたのは誰
次は、新入学する本人が
選んだランドセルの代金を支払ったのは誰か
という質問です。
両親が41.0%、
母方の祖父母が27.9%、
父方の祖父母が27.1%という回答でした。
母方と父方を合わせると
「祖父母」が支払った割合が55%と半数超え。
ランドセル購入は
初節句や七五三につぐ
「孫の祝いごと」
ということになるでしょうか。
筆者の両親も
デパートのランドセル売り場に
いそいそとやってきたのを思い出します。
検討開始時期と購入時期
本人だけではなく、
両親や祖父母にとっても楽しみなランドセルの購入。
検討を始めた時期は
入学前年の5月という回答が
もっとも多くて15.3%でした。
次に多かったのが、
さらに遡って前々年の12月で12.0%。
幼稚園や保育園に通っているこどもなら
年中組のクリスマスから
ランドセルの検討を始めていたことになります。
以降、月を追うにつれ回答者が少なくなり、
入学の年の1月は0.9パーセント、2月は0.1%でした。
では、ランドセルを実際に購入したのはいつでしょうか。
最多は入学前年の5月で16.1%、
次に多かったのが8月の14.5%です。
5月はゴールデンウイーク、
8月はお盆で、
家族で出かける機会や祖父母と会う機会があり、
その際に購入したということかと想像しました。
購入も年が明けてからだと
1月が3.2%、2月が1.1%です。
90%以上のこどもたちが、
ランドセルを入学の前年から持っているわけですね。
そのランドセル、気になるお値段は
ランドセルの購入価格帯の最多は
「65,000円以上」で30.4%。
これには筆者驚いてしまいました。
ランドセルは高価だという記憶はありましたが、
いまはこんな価格になっているのかと。
以下、価格帯が下がるごとに
パーセンテージも下がっていきます。
55,000円から64,999円 24.8%
40,000円から54,999円 18,0%
25,000円から39,999円 12,9%
24,999円以下 6.5%
購入金額の平均は
56,425円だったそうです。
これほど高価なものならば、
検討開始時期が早いのもわかる気がします。
購入の決め手はなに
最後にそのランドセルに決めた理由のトップ3は複数回答で、
こどもの好きな色だった 50.2%
デザインがよかった 37.5%
軽かった 22.5%
でした。
こども本人が選んだ割合が
77.3%だったということを併せて考えると、
色、デザイン、軽さの順番が
本人たちの決め手の順番でもあったということでしょう。
4月からこのようなランドセルを背負った
こどもたちと街で出会うことが
とても楽しみになりました。