2022.06.15
リモートお墓参りから思い出サイトまで ~インターネットを利用したさまざまなお墓参りと追悼の形~
お墓参りを代行して生中継
国内の移動もままならなかったコロナ渦。
お墓参りにいけなくて
ご先祖様に申し訳ない思いをされていた方も
少なくないでしょう。
移動制限がなかったとしても、
遠隔地にあるお墓にお参りすることは難しい場合があります。
わたしたちの生活で生じる困りごとには
必ず解決してくれるプロフェッショナルがいるものです。
このお墓参りになかなかいけないという問題には
「リモートお墓参り・お墓掃除代行」というサービスが
提供されていました。
ある大手旅行会社が運営するエンディング業務のなかにも、
それらのサービスがありました。
提携業者が
墓石を綺麗に掃除してくれ、
依頼者とzoomで繋いで、
合掌しお線香を上げるお墓参りの
生中継をしてくれるのだそうです。
まさに「リモートお墓参り」。
生中継なら、
頼んだことを
しっかりやってくれているかどうか
一目瞭然ですし、
ライブなので、
自分もリアルタイムで合掌することができます。
「お墓参りにいけない」という
ご先祖様への申し訳ない気持ちが軽くなることも
十分に期待できるでしょう。
お墓にQRコードをつける?!
お墓参りを大切な習慣にしているのは
わたしたち日本人だけではありません。
映画などで見る限りでは、
欧米の人もお墓参りによくいっています。
あのロッキーは毎日エイドリアンのお墓の前の椅子に座って
その日の新聞を読んでいるくらいですから。
それでも、
遠いところにいる親族や高齢の人たちが
お墓を訪れづらいのは日本と同じ。
アメリカでは墓石にQRコード(デジタル墓石マーカー)を
つけてその問題に対処することを始めました。
スマートフォンでそのQRコードを読み取れば、
墓石に刻みきれない個人のデータを閲覧することができます。
また、お墓参りにいけない人にも
QRコードをシェアすれば、
同じデータが読め、
故人を偲んで追悼する機会を持てるわけです。
いまでは
オーストラリア、英国、アメリカのお墓の
2%から3%にQRコードがついているそうです。
このQRコードを日本でもすでに導入している会社があります。
御影石版とセラミック版があり、
新しいお墓だけでなく既存のお墓にもつけられるとか。
お墓参りして合掌したあとに、
各自がお墓にスマートフォンをかざしてQRコードを読み取るシーンは、
いかにも現代的に映ることでしょう。
Webカメラの映像で好きなときにお参り
お墓参りの代行は約束した日時に生中継してもらったり、
動画を送ってもらって後から見たりすることもできるものですが、
据え付けのWebカメラでいつでもお参りできる墓地もあるそうです。
檀家にお墓の現在の様子を見せようと始めたことから発展して、
リアルタイムの映像でお参りしてもらう
「ハイテク墓」のサービスを開始したお寺は好評を集めているとか。
Webカメラを備えた納骨堂もあり、
アップでご先祖様の区画を見られたり、
お経が流れたり、
故人の好きだった曲を流すこともできるのだそうです。
お住職のお経やお説教のオプションもあるとは、
ありがたいではありませんか。
バーチャルなお墓にインターネットでお参り
リモートお墓参りとお墓のQRコード、
ハイテク墓では、
お墓や納骨堂そのものはリアルに存在していました。
リアルにあるお墓に現実としてお参りできないので、
代行業者にいってもらう、
データにアクセスして写真などを見てお参りする、
Webカメラの映像にお参りする、
というのがサービスの内容です。
ここからさらに一歩進んで、
お墓そのものをバーチャルな空間に作り、
インターネット上でお参りするというサービスも
すでに始まっています。
樹木葬や海洋散骨など、
従来のお墓の形にとらわれない遺骨との向き合い方は
すでにポピュラーになりました。
子孫の負担を軽くするために、
自らお墓に入らないことを選ぶ人もいます。
「墓仕舞い」という言葉も聞かれて、
これからますますリアルなお墓は
減っていく傾向にあると思われます。
しかしいつの時代も、
わたしたちの心は亡くなった人との繋がりを求め、
なんらかのよすがが欲しいと願います。
バーチャル空間のお墓はそんな気持ちに応えてくれるのかも知れません。
イメージ映像の墓地や霊園につくられたお墓に
水をかけお花を供えてお線香をあげる。
言葉だけで聞くとゲームの中のようにも感じられますが、
ご先祖様や亡くなった方を大切に思う気持ちは、
バーチャルなお墓へのお参りでも届くのではないでしょうか。
ブログを書くように作れる追悼サイト
最後に、
スマートフォンやパソコンで毎日でも更新ができる
追悼サイトのサービスをご紹介します。
芸能人が若くして亡くなったときなど、
ファンや所属事務所が追悼サイトを立ち上げ、
お悔やみのメッセージをみんなでシェアすることがありますが、
いま、個人でもそのような場所を
インターネット上に作ることができます。
ブログを書くように、
故人の思い出や写真を投稿するもので、
お花やろうそくのアイコンをつけた
メッセージを贈るページもあります。
故人を中心とした家族のヒストリーを記すことにもなり、
親族や由縁の人々があちこちからアクセスして故人を懐かしむ、
メモリアルホールのようなサイトができあがっていきます。
故人へのメッセージもサイト上に実際に書いてみると
また感慨深いものです。
インターネットを利用した、
さまざまなお墓参りと追悼の形。
いかがでしたでしょうか。
遠く離れているからお参りできない、
お墓がないからお参りできない、
と心を曇らせるより、
リモートでもバーチャルでもブログ形式でも、
お参りしたり語りかけたりすることで、
ご先祖様もきっと喜んでくださるのではないでしょうか。