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2024.01.14
初心者でもできる写経入門 心を澄ます時間

初心者でもできる写経入門 心を澄ます時間

 

 

先日筆者の友人が旅行にいき、

あるお寺で写経を納めてきたといいます。

 

筆を持つのは学校以来という彼女も

1時間ほどで般若心経を書き写せたそうで、

先祖のよい供養ができたと喜んでいました。

 

今後は趣味の一つとして

家でも写経を続けたいとか。

 

女性を中心にブームが続いている写経。

初心者でも気軽に始められるようです。

 

 

 

写経とは


 

「写経」とは言葉通り

「お経を書き写す」ことをいい、

また書き写した経文そのもののこともいいます。

 

現代では約300文字という手頃な長さの

「般若心経」を書き写すことが多くなっています。

 

たしかに100文字では

すぐに書き写せてしまって短すぎるし、

600文字もあると

長くて疲れてしまうかも知れません。

 

写経はもともと学僧が経典を学ぶために書き写したものであり、

また経文を複製して全国に広めていくためのものでした。

 

『日本書紀』には天武2(673)年に

「書生をあつめて、初めて一切経を川原寺に写す」

という記述があります。

川原寺は飛鳥の三大寺の一つ、

これが日本で最初の写経と考えられています。

 

 

奈良時代、

聖武天皇の頃には専門の「写経司(しゃきょうし)」がいて、

書き写された経典が全国の国分寺などに配られました。

 

中世ヨーロッパの寺院で

修道士が聖書を書き写していたことを連想します。

 

印刷技術ができるまで書写は知識を得るため、

また広めるために不可欠なものでした。

日本の仏教も写経があってこそ全国に広まったのですね。

 

平安時代に入り、

写経することによって

「功徳が得られる」と考えられるようになり、

先祖の供養、祈願成就、

個人の仏道修行などを目的として、

学僧や専門の写経司以外の人たちにも

広く行われるようになったようです。

 

この写経が現代にも受け継がれているというわけですね。

 

 

写経の魅力は

 

実際に写経をした経験のある人たちに、

その魅力を聞くと

「心が落ち着く」

という答えが返ってくることが多いそうです。

 

ことにいまは、

手で文字を書く機会が極端に少なくなっています。

 

文章を書くシーンは増えていますが、

パソコンや携帯を使うことがほとんどですから。

 

書くことを仕事にしている筆者も

手で文字を書くのは手帳とメモの類だけです。

 

そんなわたしたちが、

姿勢を正して筆を手に取り、

経文を一字一字書き写すとしたら。

ざわついていた心がきっと落ち着くことでしょう。

 

また、手で文字を書く行為は、

脳の前頭葉の動きを活発化するという

研究結果もあるそうです。

 

学生時代、英単語などを

何回も書いて覚えたりしませんでしたか。

 

手は脳に直結しているという話も聞きます。

写経で脳を活性化。

人生100年時代にいまから備える趣味ともいえそうです。

 

さらには写経をすることで字がきれいになる、

というメリットも。

 

写経のお手本は美しい文字で書かれていますし、

なぞり書きをするお手本もあります。

 

お習字の基本「とめ、はね、はらい」

文字全体のバランスなどが自然と身につくはず。

 

とはいえ、写経は

「上手に書こう」と気負う必要はありません。

心をこめて丁寧に書けばいいのです。

 

 

写経に必要な道具

 

写経に必要な道具は、

硯(すずり)、墨、筆、

文鎮、書道用の下敷きなどです。

 

手持ちのものがあればそれを使いましょう。

 

お寺の写経会などでは

手ぶらでいっても道具を

借りられるところが多くあります。

 

もし新しく購入するならば、

筆は穂先ばまとまっていて弾力のある

小筆(細筆)がいいでしょう。

 

硯は小型のもので十分です。

市販の墨汁よりも、

硯で静かに

墨をすればより精神統一

できるのではないでしょうか。

 

写経するための用紙は、

初心者ならばお経が

薄く印刷されている

なぞり書き用のものがいいでしょう。

 

お手本を見て写していく場合は、

罫線が入った用紙もあります。

無地の紙に書写してももちろんかまいません。

 

お手本となるお経はさまざまですが、

上にも書いたように「般若心経」

初心者には好まれるようです。

 

300文字程度ですから、

1時間から1時間半程度で

書き写すことができます。

 

短い経文ですが、

仏法の真髄が述べられているといわれています。

 

仏事で耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

書写してみると

経文の意味が少しわかってくる気もして、

興味が増すことと思います。

 

 

 

写経の作法

 

お寺の写経会などで

体験できればそのときに作法も教えていただけますが、

一人で自宅で始める方のために、

基本となる作法を挙げておきましょう。

 

  1. 部屋を掃除して環境を整え、手を洗い口をすすいで身を清める。
  2. 姿勢を正し、硯に水をさし、静かに墨をすり、心を落ち着ける。
  3. 手を合わせて、書き写すお経を唱える。
  4. 表題から始めて一行が17文字になるように丁寧に書き写す。
  5. 本文が書けたら、次の行に一文字分下げて日付を書く。
  6. 終わりに「願文(がんもん)」があれば記入する。「先祖代々供養」「心願成就」など。
  7. 名前を書き、末尾に「謹写」と記す。

 

墨の清々しい香りのなかで心静かに写経するひととき。

あなたも始めてみませんか。

 

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