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2022.05.30
巻物の歴史

 

 

家系図ラボの巻物

 

 

家系図ラボには、

作成した家系図を額に納めてお届けする「ライトプラン」と、

額装の家系図に加えて緞子(どんす)による

表装を施した巻物家系図をお作りする「スタンダードプラン」

金欄による表装を施した巻物家系図を

お作りする「ゴールドプラン」がございます。

 

 

巻物の家系図は、

ファミリーヒストリーを残すのにふさわしい荘重さと

美しさを備えています。

 

そこには、歴史の教科書や博物館、

時代物のドラマなどで見た古文書のイメージも重なることでしょう。

 

日本だけではなく、

中国や韓国の時代物にも王様のお触れが書かれたり、

民からの嘆願書が書かれたりして登場する巻物。

 

わたしたちが現在も本を数えるときに使う「巻」という言葉は

文字通り巻物に由来しています。

 

まずは和の書物の起源を、

漢字文化の源流である中国のそれから紐解いていきましょう。

 

 

 

中国の文字と紙の始まり

 

 

中国の文字の始まりは殷(いん)の時代(B.C.11C)、

王による占いに用いられたもので、

青銅や亀の甲羅に彫られていました。

 

その後、孔子が現れ(B.C.5C)

長い文章を複数の人たちに伝える手段として、

木簡や竹簡(木や竹の細い板)を紐でつなげて

使うようになりました。

 

紙の製法を編み出したのは後漢中期の宦官(かんがん)である

蔡倫(さいりん)とされてきましたが、

近年、紀元前100年頃の前漢の遺跡から麻の繊維を使った

紙の原型といえるものが発見されました。

 

その後200年ほど経ってから蔡倫が紙の製法を進歩させ、

書物に使える品質の紙の製造が始まったのでした。

 

 

南北朝時代の巻子本

 

中国南北朝時代の5世紀頃、

紙を貼ってつないでいき、

巻いて保管する「巻子本(かんすぼん)」

書物の形態となりました。

 

紙が作られる以前に木簡や竹簡を

つないだものを巻いて保存した形式が、

紙を記録に用いるようになっても残ったわけです。

 

木製の軸を芯にして巻いていき、

巻頭には保護をするために絹の裂(きれ)や厚紙をつけました。

 

これを標(ひょう)といい

「表紙」という言葉のもとになりました。

標の端にはめくれを防ぐために竹ひごなどが入っていて、

そこに紐をつけて巻物に巻きつけて留めます。

 

 

日本の巻物は聖徳太子から

 

 

現存する日本最古の巻子本は、

聖徳太子が推古天皇23(615)年に著したとされる

『法華義疏』です。

 

法華経の注釈を集め、自らの注釈も記した書で、

後に法隆寺にもたらされて長く伝来し、

明治11(1878)年に皇室に献上され御物になっています。

 

奈良時代には経典の筆写(写経)が盛んになりました。

 

聖武天皇の后の光明皇后は仏教に篤く帰依し、

東大寺や国分寺の建立を聖武天皇に進言したと伝えられています。

 

また書に秀れ写経にも熱心で、

自ら筆を執るだけでなく、紙を作り、

写経を専門に行い作成する者を

「経生(きょうせい)」という官職として抱えました。

 

朝廷を上げて大量の写経を事業とし後世に伝えたのです。

 

経典のほかに『日本書紀』や『万葉集』も巻物で作られたが、

当時のものは現存していません。

 

平安時代以降の巻物

 

経生のうち書写をする職人が「経師」でしたが、

平安時代には自分で写経する人が増えて仕事が減り、

書かれたものを巻物に仕立てる仕事も行うようになりました。

 

巻物は読むのに手間がかかり不便なので、

書物はしだいに折本冊子本に取ってかわられました。

 

ただ、物語、合戦図、道中図などは、

空間だけでなく時系列の動きが表現できる絵巻物はすたれませんでした。

 

『源氏物語絵巻』『信貴山縁起』『伴大納言絵詞』

『地獄草紙』『餓鬼草紙』『病草紙』などが現存しています。

 

また、兵法や礼法、各種の秘伝や免許も巻物が使われていました。

いまでいうとグラフィックな表現に向いていたということでしょう。

 

茶室で使われる「掛け軸」は巻物を縦に仕立てたものです。

 

読経の変化によって巻物から折本へ

 

 

上述のように、巻物の読みづらさを解消するために、

一定幅で折り曲げた状態の「折本」が考案されました。

 

 

日本では鎌倉時代後期から室町時代前期にかけて

巻子本で作られた奈良・平安時代の古写経を折本への改装が

全国的に行われました。

 

この背景には、

経典の全部を読む「真読」に対して

経典の題名だけを読み上げる「転読」という形式の流行が

あるといわれています。

 

 

草子と冊子

 

 

折本より時代が下り、

さらに新しい装本の形が生まれました。

 

文字が書かれている紙を「料紙(りょうし)」といいますが、

その料紙を書かれた面を内側にして二つ折りにし、

折り目の外側に糊をつけて綴じたものを「草子」といいます。

 

 

「冊子」は料紙を文字の書かれた面を外側にして二つ折りにし、

反対側を糸で綴じて作ります。

こうしていわゆる「和綴(わとじ)」の本というものができました。

 

 

令和まで受け継がれた巻物の歴史

 

木簡、竹簡に始まった書物の歴史は、

紙が作られたことで巻物へと変遷していました。

 

巻物の読みづらさから折本が生まれ、

草子、冊子へと変化しましたが、

巻物という形式がなくなることはありませんでした。

 

空間と時間をグラフィックに伝える絵巻物は、

絵画の領域にも踏み込む芸術作品として好まれ、

数々の傑作も残っています。

 

家系図もまた、

時間と空間を超えてダイナミックに描かれる一つのビジュアル作品です。

 

緞子や金襴の彩りと輝きを添えた巻物として、美しく残してみませんか。

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