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2022.09.01
日本で最初に使ったのは上杉謙信?暗号の歴史

暗号の歴史

 

家系図は血族の秘密が隠された暗号である。

 

こんなふうに書くと謎めいてしまいますが、

家系図を作成する過程で明らかになっていく事柄には

驚きやときめきを覚えます。

 

これまで全く知ることのなかったことを知ると目が開けて、

他のこともよく見えるようになっていくのです。

 

自分のルーツを確かめることで、

家族や先祖に対する感謝と愛情も深まるでしょう。

 

 

 

解読不能の暗号を解読した天才数学者

 

 

さて今回は「暗号」つながりということで、

暗号の歴史にスポットライトを当ててみました。

 

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014年・米英)

はご覧になりましたか。

 

第二次世界大戦時にドイツが開発した

解読不能といわれる暗号「エニグマ」に挑んだ

イギリスの数学者アラン・チューリングの実話に基づいています。

 

チューリングとスタッフの苦闘に、目が離せなくなる作品です。

 

暗号はいつか解読される運命にあります。

 

解読によって次の暗号が開発され、

またその暗号も解読される、

ということを繰り返すのが暗号の歴史。

 

紀元前3000年頃のバビロニア文明

始まったとされる暗号は、

5000年の長い長い時の流れの中で

開発と解読を繰り返してきました。

 

インターネット時代の現在では、

個人や企業を守るもっとも重要な「鍵」となっています。

 

 

 

ヒエログリフからシーザー暗号まで 古代の暗号

 

現存する最古の暗号は

紀元前3000年頃の石碑に書かれている

象形文字「ヒエログラフ」であるとされています。

 

ヒエログラフは長い間解読不能の暗号とされていましたが、

19世紀にロゼッタストーンの研究が進んだことで

解読されるようになりました。

 

紀元前6世紀頃に栄えたギリシャの都市国家スパルタでは

「スキュタレー暗号」が用いられていました。

 

「スキュタレー」とは棒のことで、

発信者がこれに巻きつけた革紐に文字を書いて紐だけを送り、

受け手は同じ太さの棒にその紐を巻き付けて

解読するという仕組みでした。

 

いまから見るとなんともアナログですが、

当時のスパルタ人たちにとっては

大事な暗号方式だったわけです。

 

紀元前1世紀、

ジュリアス・シーザー

アルファベットをずらして暗号文を作り、

ずらした数を受信者と共有して解読させるという

暗号を使っていました。

 

 

スコットランド女王も上杉謙信も使った 中世の暗号

 

中世に入り暗号技術は高等化し、

各国で頻繁に使われるようになります。

 

16世紀、

スコットランド女王メアリ・スチュワート

イングランド女王エリザベスの暗殺を企て、

共謀者との連絡に高度化した暗号を用いました。

 

しかしその暗号は解読され、

メアリ女王は有罪となり処刑されました。

 

シェイクスピアが描いたような

血で血を洗う権力争いに、

暗号と暗号解読の果たした役割は大きかったわけです。

 

 

同じ頃日本では

上杉謙信が方陣を鍵とする暗号を用いていました。

 

いろは48文字を7✖️7のマス目に書き、

行と列の数字で当該の文字を表すものです。

 

九九の得意な日本人には使いやすい暗号だったかも知れません。

 

いくさや戦争が暗号を発達させるのは、

敵の目を欺くために当然といえるでしょう。

 

第一次世界大戦と機械式暗号機 イギリスとドイツの暗号をめぐる攻防

 

1914年、第一次世界大戦が始まります。

 

イギリスはドイツへの宣戦布告とともに、

ドイツと他の国を結んでいた通信用海底ケーブルを切断しました。

 

ドイツはイギリス経由の国際ケーブルを使うしかなくなり、

すべての通信を暗号化することを試みます。

 

イギリスはそれらの暗号を解読、

ドイツは解読されていたことに気づかぬまま敗北。

 

敗戦後、

暗号が破られていたことを知ったドイツ軍は、

すでに国内で開発されて商品化されていた

画期的な機械式暗号機「エニグマ」を採用しました。

 

ドイツからの侵略にさらされていた

ポーランドが解読に着手し、

解読機も作成したのですが、

ドイツはエニグマを改良。

 

ポーランドは経済的理由から

解読の続行が不可能となり、

イギリスに後を託します。

ほどなくドイツに侵攻され、

第二次世界大戦が始まりました。

 

 

イギリスが引き継いだエニグマ解読の過程を描いたのが

前述の映画

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』です。

 

数学者チューリング

コンピュータの父」ともいわれる人物で、

若い頃から天才性を発揮していました。

 

「暗号から意味のある情報を抽出する」のではなく

「可能性のない組み合わせを最短の作業を省く」

という考え方のもとに、

彼はエニグマの解読機「ボンベ」を完成させ、

イギリス軍の戦いを有利に導いたのでした。

現代の暗号 

 

第二次世界大戦後、

暗号機はコンピュータに取って変わられていきました。

 

暗号の用途も軍事だけでなく

民間での商取引き上の必要性も高まっていったのです。

 

暗号では、

解読するための「鍵」の受け渡しが

もっとも重要な問題になります。

 

スパルタの棒を使った暗号では

発信者と受信者が「同じ太さの棒」を使うことが鍵となり、

その太さの情報をどうやって伝えるか、

が双方の問題となる、ということです。

 

現代の暗号は公開された鍵によって作られ、

本人しか知らない

もう一つの秘密の鍵によって開けるという方式を取っています。

 

これによって

「鍵の受け渡し」という暗号の大問題はクリアされたわけです。

 

インターネット上でわたしたちが毎日のように

使用している暗号はこういう仕組みだったのですね。

 

 

5000年の歴史を持つ暗号。

これからも解読と開発の繰り返しによって

暗号は進化していくことでしょう。

 

 

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