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2023.06.27
日本の「夏休み」、明治から令和まで

日本の「夏休み」、明治から令和まで

 

 

今年も酷暑に見舞われる予定の2023年の日本列島。

 

これからやってくる夏休みもただもう

「暑いのだろうなあ」としか思えないありさまですが、

こどもたちや学生には待ち遠しいことでしょう。

 

とくに期末試験などのない小学生にとっては、

夏休み前ほどわくわくする日々はありません。

 

いまのこどもたちの親の世代、祖父母の世代、

曽祖父母の世代まで、

家系のなかでも夏休みの記憶は辿れることと思います。

 

平成の夏休み、昭和後期の夏休み、

第二次世界大戦中や戦前の夏休み。

 

もう直接は話を聞くことはできない、

高祖父母にも夏休みはあったのでしょうか。

 

 

日本の夏休みは明治時代から

 

日本で現在の学校制度が始まったのは

明治5(1872)年のことです。

 

学校教育の仕組み「学制」を法令で定めて、

こどもたちを小学校に通わせることが決まりました。

 

これにより、

全国に2万校以上の小学校が建ったそうです。

 

その9年後の明治14(1881)年、

文部省が出した小学校教則綱領第七条で

「小学校ニ於テハ日曜日、夏季冬季休業日及大祭日、

祝日等ヲ除クノ外授業スヘキモノトス」

と定められました。

 

つまり「小学校では日曜日、夏と冬の休業日および大祭の日、

祝日など以外の日は授業をするべきものとします」

という意味ですね。

この内容の文書が各都道府県に送られました。

 

 

現在の文部科学省によれば、

夏休みを始めた目的は不明、

ということなのですが、

欧米の国々をモデルにしたとは推察できるとか。

 

欧米では秋から春まで晴れた日が少ないので、

夏は大人もこどもも太陽の光を

いっぱい浴びるべきだという考えかたがありました。

(ヨーロッパの国々では

いまも夏はバカンスに出かけてこんがり日に灼けて

帰ってこないと肩身が狭いそうです。在欧者談)

 

そして欧米では新学年が9月から始まるので、

夏に長い休みを取るのは都合がよかったようです。

 

 

明治維新後、

日本政府はとにかく欧米にならって

日本を豊かで強い国にしようとしていましたから、

教育制度も欧米を真似たわけですね。

 

ただ、日本の新学年は4月に始まりますから、

7月に夏休みが始まると、

せっかく勉強に慣れたところで中断するのはもったいないと、

夏休みの宿題が始まったそうです。

 

 

夏休みの宿題も明治時代から


 

宿題を始めるくらいなら、

新学年の始まりの季節のほうで

欧米を真似てくれればよかったのに、

と昭和のこどもとしては非常に残念に思います。

 

 

2006年、宮崎県文書センターで明治43(1910)年

当時の尋常小学校の夏休みの宿題帳が見つかりました。

 

小学校の先生の手作りで、

算数や理科の問題や漢字の書き取り、

日記を書く部分もあるそうです。

 

1ページを二分割して、

上に学習課題が一つ、

下に日記、となっているものがほとんどだとか。

 

 

ある子は日記に、

「目をさましてみると太陽の光がうつってゐたので

すぐおきて書物を讀みました」

と書いていたのだとか。

 

明治の小学生が書いた夏休みの朝の描写、

なんとも尊いですね。

 

 

大正時代、出版社の宿題帳が登場

 

大正時代になると、

出版社が夏休みの宿題帳を作り始めました。

 

各社工夫を重ね、

宿題と日記が別々にされるようになったそうです。

 

大正時代のこどもたちも、

日記に書くお天気や気温で悩んだでしょうか。

 

8月も終わりになってあわててまとめ書きするとき、

いちばん困ったのがお天気と気温ではありませんでしたか。

 

宿題帳のほうには、

問題が1ページにいくつも載るようになりました。

 

 

第二次世界大戦下の昭和14(1939)年からは、

「夏休み」の呼称が廃止され、

心身鍛錬の期間とされました。

 

また、文部省が宿題帳を作り、

全国で同じ内容になったそうです。

 

 

戦後から昭和の終わりまで

 

第二次世界大戦が終わり、

各都道府県の教員の組織が

その地域ならではの宿題を作るようになりました。

 

土地の民話や植物など、

郷土に関する問題や、

農村地域では昆虫採集が宿題となったりも。

 

地域らしさを生かした宿題が増えました。

 

 

また「自由研究」が宿題に出されるようになったのも、

昭和の高度経済成長の時期です。

 

研究結果を模造紙にまとめて、

二学期の最初に教室に掲示したり、

研究発表会で説明をしたり。

 

研究テーマを決めることからして

こどもたちには大きな課題でした。

 

宿題帳や日記帳は民間の教材を使う学校が多くなりました。

 

 

平成時代は標語コンクールと調べ学習

 

平成に入り、絵画や読書感想文、

標語コンクールなどの課題が夏休みにも増えました。

 

標語コンクールのテーマは、

交通安全や防犯などで、

公的機関が主催するものが多くあります。

 

想像力を養うという意味で、

課題としてよく出されるようになったそうです。

 

 

さらに1990年代後半から2000年代にインターネットが普及し、

こどもたちにも「調べ学習」の機会が増えました。

 

こどもたちも家にいながらにして調べものや、

自由研究ができるようになったのです。

 

「ゆとり教育」の一環としても、

自主的な学習や研究が重要視されました。

 

 

令和5年の夏休みは?

 

令和2年からの学校は、

コロナウイルス感染拡大による臨時休校や行事の中止を余儀なくされ、

こどもたちの生活にも大きな影響が出ました。

 

臨時休校による授業時間の減少対策で

夏休みが短くなったりもしましたね。

 

しかし、コロナ禍もいちおうの落ち着きを見せているこの夏。

 

こどもたちには宿題や自由研究も忘れずに、

といちおういいつつ、

のびのびと夏を満喫させてあげたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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