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2023.11.22
紀元前から現代まで マジックの歴史

紀元前から現代まで マジックの歴史

 

Amazonプライムで配信が始まった

懐かしいテレビドラマ『トリック』

20年以上ぶりにはまってしまっている筆者です。

 

『トリック』は売れない女性マジシャンと

超常現象を研究している大学教授のコンビが、

怪しい教祖やインチキ霊能者がからむ犯罪を解決するコメディ。

 

タイトルの通り、

マジックや奇跡まがいのパフォーマンスのトリックを

見破っていくので、

現実の手品師には迷惑な一面もあったかも知れません。

 

またいっとき、

手品や大掛かりなイリュージョンの種を明かす

海外のビデオ作品が

日本でも人気を集めたことがありました。

 

わたしたちはマジックに

騙されたり感心したりしたい反面、

トリックを知りたいという欲求も持っているようです。

 

また趣味としてマジックを楽しんでいる

愛好家も少なくないでしょう。

 

今回のブログでは、

そんな、わたしたちの大好きな

マジックの歴史を紐解いていきましょう。

 

 

 

人類最古のマジックは “Cups and balls”

 

 

三つのカップとボールのマジック、

おそらく一度は目にされたことがあるでしょう。

 

伏せたカップの中のボールが消えたり、

カップの上に置いたはずのボールが中に落ちてきていたり。

 

これは「カップ・アンド・ボール」という

最古のマジックといわれている演目で、

古代エジプト(約4000年前)の洞窟の壁画に

それらしきものが描かれているそうです。

 

古代ローマの手品師も行っていたとされ、

ギャンブルに使われたこともあるとか。

 

この絵画はヒエロニムス・ボス

1502年の描いた「手品師」という作品。

 

「カップ・アンド・ボール」に気を取られている観客の一人が

財布を盗まれそうになっていますね。

 

 

 

焚書された世界最古の種明かし本

 

1584年イングランドの地方地主だった

レジナルド・スコット

当時行われていた魔女の迫害をきっかけに、

魔女術には根拠がなく、

キリスト教精神に反するものだとする『魔女術の発見』を書きました。

 

なかには手品や舞台で行われる

マジックのトリックを覆す図版もあり、

世界で初めての奇術についての書物ともなっていたのです。

 

時のイングランド王ジェームズ1世は魔術を信じ、

嫌ってもいたため、

この『魔女術の発見』の初版本を

すべて燃やすよう命じたそうです。

 

17世紀に出版された本格的なマジシャンのための手引書

 

『魔女術の発見』の50年後、

舞台マジックを徹底的に解剖、解説した

『ホーカス・ポーカス・ジュニア』が出版されました。

 

まったくの初心者でもこれを読んで、

練習をすれば、

マジシャンになれる可能性を秘めた本として

読み継がれた本です。

 

後年、このタイトルで小説が書かれたり、

映画も作られるなど、

書名自体もなにか呪文のような魅力を持っているようです。

 

文中、マジシャンへのアドバイスとして、

 

1.無謀と思えるくらいの大胆な精神の持ち主でなければならない

2.敏捷であざやかな手管を見せなくてはならない

3.奇妙な用語や強調された言葉を遣わなくてはならない

4.こちらのやりかたを厳しく入念に観察する観客の目を逸らすように身をこなさなければならない

 

が挙げられているそうです。

 

 

 

時計職人出身の紳士なマジシャン

 

 

1805年に時計職人の息子として生まれ、

自らも精巧な自動人形などを

作成していたロベール=ウーダンは、

40歳のときにかねてから憧れていたマジシャンに転身。

 

1845年パリでプロとしてデビューして、

古くからのマジックに加えて、

元時計職人としての腕を生かした

オリジナルのマジックを披露、人気を博しました。

 

彼は燕尾服シルクハットの正装でステージに臨み、

明るい照明を使用したそうです。

 

それまでの黒魔術的なイメージを覆したことから

「近代奇術の父」と呼ばれました。

 

また

「マジシャンとは魔法使いを演じる役者である」

という名言を遺し、

後のマジシャンに影響を与えました。

 

 

 

日本のマジックは奈良時代から


 

翻って、

日本の奇術の歴史は奈良時代に

仏教とともに伝来した「散楽」が始まりとされ、

能や狂言などと同じ源流を持っています。

 

大道芸として発展しましたが、

室町時代以降はキリシタン伴天連の妖術とされ、

一時禁止されました。

 

江戸時代からは

「手妻(てづま)」「品玉(しなだま)」と呼ばれ、

元禄時代の塩谷長次郎

西洋に先駆けてブラック・アート(黒技)

というイリュージョンの技を完成させました。

 

この時代には歌舞伎人形浄瑠璃

からくり人形の舞台も大変な人気があり、

奇術的な演出を使用するものも多く、

双方が密接な関係を保っていたのです。

 

明治時代には松旭斎天一がヨーロッパを巡業、

西洋奇術を日本に持ち込みました。

 

演芸として確立していた日本古来の手妻は

次第に勢いをなくし

「洋妻」と呼ばれた西洋奇術が広まっていきます。

 

第二次世界大戦後、

欧米のマジックが再び日本に入ってきて

大きな影響を与えるようになりました。

 

とくに「クロースアップ・マジック」の分野が急速に発展、

アマチュアの愛好家のなかからも優秀なマジシャンが生まれました。

日本人の器用さが生かされる分野だったのかも知れません。

 

 

 

大規模なイリュージョンの発展と現代のマジック

 

科学技術の進歩とともに、

マジックの世界でも大きな仕掛けを使ったイリュージョンが発展、

デビット・カッパーフィールドなど

ショービジネスとしての成功を収めるマジシャンが現れました。

 

日本人でも引田天功(初代、二代目)

世界的に名を馳せています。

 

 

また「ストリートマジック」という新しい分野も生まれました。

 

街で通りすがりの人相手に演じて驚かせる

ハプニング的なパフォーマンスで、

それをテレビで見せることもあります。

 

セロのマジックといえば、

ああ、あれね、と思い出される方もいらっしゃるでしょう。

 

トリックがあるからこそのマジック。

人が騙されて喜ぶ唯一無二の世界ですね。

今後の発展もとても楽しみです。

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