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2023.10.29
美しい香りをまとう喜び 香水について

美しい香りをまとう喜び 香水について


 

 テレビを見れば、

よい香りの洗剤柔軟剤のCMがつぎつぎに流れ、

ドラッグストアにいけば

それらの製品が棚いっぱいに

カラフルに並んでいます。

 

電車に乗っても、

街で人とすれ違っても、

そんな香りを感じることがしばしばです。

 

部活帰りの中学生の一団が

いい匂いなのですから驚きます。

 

このブームはすでに

20年以上続いているとか。

 

女性の間でアロマテラピー

話題に上るようになったのも

20年前くらいからでしょうか。

 

香りで癒される」を合言葉に

精油(アロマオイル)が

一般的に知られるようになりました。

 

ディフューザーと呼ばれる機器や仕掛け、

あるいはキャンドルで

部屋にアロマを

香らせることも広まっています。

 

お洗濯や家事の一環としての香りや、

癒しのための香り、

あるいはインテリアとしての香りは

このように普及してきましたが、

個人が身にまとう香り、

すなわち香水の類についてはどうでしょうか。

 

 

年間消費量の違いは圧倒的

 

ドバイなど中東諸国の人の年間香水消費量は

3リットルから5リットルといわれているそうです。

 

1年に牛乳パックが

3本から5本の量の香水って、

いったいどのようにつけたら

そんなに大量に使えるのか、

想像もつきません。

まさに浴びるようにつけているわけですね。

 

日本人が年間にそれくらい使うものといったら

シャンプーなのだそうです。

 

さすが清潔好きの日本人、

といいたくなりますが、

では香水はどのくらい使っているのでしょうか。

 

なんと年間100ミリリットル

それもよく使う人で、だそうです。

 

中東のよく使う人は牛乳パック5本分で、

日本人はよく使う人でもカップに半分

 

50倍の差があります。

 

日本の香水の市場規模は、

香水の本場フランスのそれの

3分の1というデータもあるそうです。

 

人口は日本はフランスの2倍ですから

単純に計算したら6分の1

考えることもできるかも知れません。

 

日本の香水の消費量が少ない理由として、

湿度が高く、人口密度が高いこと

挙げられているようです。

 

空気の乾いたヨーロッパの人のようにつけたら

日本では香りが立ちすぎて、

周りの人に迷惑にもなりかねない。

 

そんな気遣いのある国民性ゆえではないか。

 

また、日本人は体臭が薄いということも

理由の一つだと考えられています。

 

ただ、これらの理由だけだと、

最初に書いたような柔軟剤や

洗剤の香りのブームの説明が

ちょっと難しくなりますね。

 

柔軟剤や洗剤は安価で

気軽に香りを楽しめること、

洗濯物についてしまうかも知れない悪臭を防げること、

着ている間の匂いも防げること、

など、実生活上の便利さや手軽さへのニーズに

合っているのでしょうね。

 

 

日本に香水が入ってきたのは江戸時代

 

そもそも日本には「香」の文化がありました。

 

紫式部が著した

『源氏物語』はその象徴ともいえます。

 

貴人たちは香木をいぶした煙を衣にたきしめておき、

追い風で香りを残すようにしたのだとか。

 

これを「衣香(えこう)」と呼びました。

 

香道においては、

香りを「かぐ」のではなく

「聞く」とするのも奥ゆかしく繊細な表現です。

 

このような香りの文化を紡いできた日本ですが、

「香水」に限ると、

やはり江戸時代に外国からもたらされたものになります。

 

最初のそれはバラを蒸留して作るローズウォーターで、

平賀源内は宝暦13(1763)年の著書『物類品隲』のなかで

長崎のオランダ人が持ち込んだと書いているそうです。

 

ローズウォーターは

いまも入手できる化粧水に近いものです。

 

より本格的な香水は嘉永7(1854)年2月に

ペリー提督が横浜に来航したときの贈り物に

含まれていたと資料に確認できるそうです。

 

当時はまだアメリカには香水を製造する会社はなく、

おそらくはフランス製の香水だっただろうと

考えられているとか。

 

 

 

夏目漱石の小説に書かれた香水

 

明治時代に入ると

香水は西洋文明の一つとして

一般人にも広まっていきました。

 

後の世では「文豪」の名を

ほしいままにする夏目漱石ですが、

当時はトレンドの先端を描く流行作家でもありました。

 

明治41(1908)年に書かれた『三四郎』には、

三四郎が美彌子に「ヘリオトープ」という香水を選んでやる、

というくだりがあります。

 

もっともそれは「好加減に、是はどうです」

といったものらしいのですが。

 

1892(明治25)年に

フランスのフレグランスブランドである

ロジェ・ガレ社から「Heliotrope Blanc」

という香水が発売されていたそうで

ヘリオトープ」は

この香水のことだろうと考えられているそうです。

 

また、明治時代には

すでに日本国内でも香水が作られていました。

 

明治37(1904)年から38(1905)年の

日露戦争と前後して

庶民の髪型や化粧が洋風化し、

香水の需要も伸びました。

 

大正時代に入り、

資生堂「花椿」「月見草」

というたおやかな名前を持つ香水を発売しました。

 

大正浪漫を感じますね。

 

 

 

合成香料アルデヒドによる香水革命

 

そのころ香水の「本国」フランスでは

合成香料の登場によって香水に新時代が訪れていました。

 

1921年に発表された「シャネルNo.5」

天然香料とアルデヒドという合成香料を調香した

「女性のための香り」だったのです。

 

マリリン・モンローの有名なセリフを引くまでもなく、

世界でもっとも知られた香水といえるでしょう。

 

筆者はじつはフランスのゲランの香水を

長年愛用しています。

 

外出する日もしない日も

自分の愉しみとしてつけています。

 

香水の香りは目には見えず、

しかしたしかに香ることで

同じく目には見えない心を伝えてくれるようです。

 

秋冬は厚着になるので香水が目立ちすぎません。

 

香水を使いはじめるのには適した季節だと思います

あなたもお気に入りの香りを見つけてみませんか。

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